政策委員への金融政策について注意を喚起する文書

政策委員(副総裁、審議委員)への金融政策について注意を喚起する文書

 日銀のロジックは、「フォワードルッキング」あるいは「物価安定の理解」とも称される理論上の矛盾を介して誘導金利を25bp引き上げる方式である。これらの論理は、その典型として、経済の先行きを展望すると、生産・所得・支出の好循環メカニズムが維持されるもとで、緩やかな拡大を続ける蓋然性が高いと確約する。その予防的な政策運営は、通常、より望ましい金利水準を遅からず早からず設定していくという、量的緩和政策を続けている時よりも、はるかにダイナミックな判断を行うことを約束する。

 その総裁が徐々に可能な限り金利を引き上げて金利機能の働き方をより強くしていくと約束している場合には気を付けなさい!英米中央銀行は、「デフレ下での金融引き締め」として こうした行為を否定しています。中央銀行の独立性を規定する法律は、日銀が自主性を持つのは通貨及び金融政策の手段に対してのみにするべきであって、政策の目標に対して独立性を認めるべきではないと言っている。

 何故デフレ下で利上げが否定されるのか? なぜなら、コアコアCPIのマイナス若しくはゼロ近傍に対して誘導金利無担保コール翌日物)を引き上げる物価動向に逆行した金融政策の実施は、新たに引き起こされるデフレ期待によって経済が収縮し景気後退(リセッション)に陥ることが必然だからである。そして経済が毀損されれば、その社会の最頂点の人々はおそらく除かれるが、大部分の人々はその金銭を失うことになる。

 市井の私達は、ある特定の誘導目標が適当かどうかを副総裁に告げることはできない。また、私達がそうした提案に賛成するかどうかについて、審議委員にアドバイスすることもできない。その決定は自分で判断しなければならない。しかし、私達は、皆さんが常識を働かせて、意思決定においては以下の7つの点に留意されるよう申し上げます。
1.予防的にインフレーションを抑制するためのゼロインフレ目標を受け入れるすべての同僚を無視しなさい。そうした方法は経済的な災害をもたらす金融政策であろう。
2.新任審議委員に徐々に利上げしていく政策ロジックを求める企画に、心を許してはいけません。こうした論理はすぐに破綻し、−また偽装した金利の正常化であるかもしれない。
3.仮に低金利が経済・物価情勢と離れて長く継続するという期待が定着するような場合には、行き過ぎた金融・経済活動を通じて資金の流れや資金配分に歪みが生じ、息の長い成長が阻害される可能性があると判断し、金利水準の調整を行うことを主張する「第2の柱」には注意しなさい。
4.奇跡的な息の長い景気拡大とか莫大な収入を約束すると語るフォワードルッキングな金融政策には気を許してはいけません。その政策の提案者が主張していることが真実であるとは限らないからである。その政策の提案者に、確たる証拠のある主張を具体的に示すよう求めなさい。
5.「福井」、すなわち、その方法でバブル阻止に成功したと架空の成功例を述べるために、その方法での組織防衛に駆られた「総裁」に警戒しなさい。
6.「政策委員会・金融政策決定会合」その他すべてのプレッシャーの高い状況の中では、総裁に追随したり賛成票を投じたりしてはいけない。利上げを決める判断には、時間がほしいと強く主張しなさい。配偶者、知識のある友人、経済学者に相談しなさい。
7.よく調べなさい。個人の消費動向や、統計局の消費者物価指数で、あなたが考慮に入れている金融政策について検討しなさい。とりわけ、その経済・物価情勢の展望について言っていることや、また景気は力強いと言っていることが、あまりにもよすぎて真実とは思われ得ない場合には。


改変前原文(元ネタ):連邦取引委員会の消費者へのMLMについて注意を喚起する文書
http://www.ne.jp/asahi/kato/logos/ftc-mlm.htm

「日銀について総裁が分かりやすく解説します。」
http://d.hatena.ne.jp/ryozo18/20070312/1173670892


このエントリーはフィクションです。実在の人物、団体、経済現象等には一切関係ありません。